愛知県にしかない少し変わった条例

地球環境保護宣言(扶ふ桑そう町)※一部抜粋

地球、それは人類を含む全ての生きとし生けるものの共通の住みかであり、財産である。その地球は今、人類の欲望のために自らいやす力を失い破滅への道をたどろうとしている。
地球は病んでいる。

 

It has been a home and great treasure for all of its living creatures. Now, the earth is losing its ability to replenish its resources because it has been meeting the wants and desires of its people.
THE EARTH IS GETTING WEAK.

 

まさかのイングリッシュ条例

名古屋圏のベッドタウンのひとつ、扶桑町が、国による環境基本法の制定より早く、1992年に発表した、この環境保護宣言は「小さなまち、扶桑町から日本と世界の人々に向けて」という一文をもって結ばれています。

 

世界の人々に向けられたという、その意思は、宣言の全文につき「英訳」が添えられている点からもうかがい知ることができますね。

 

わざわざ英語で書き直して、国際的に問いたださねばならないほど、この宣言の中に目新しい内容が含まれているかどうかは疑問ですが、扶桑町が広く存在感をアピールしようという意思を示すには、格好の手法だと思います。

 

温室効果ガスを減らす「環境アクション」として、温度調節・水道の使い方・自動車の使い方などを考える、6つの提言を行うほか、大規模な清掃活動や廃品再利用コンテストを定期的に開催するなど、町はオーソドックスな企画を地道に積み重ねている模様。

 

そうです。地球スケールの目標こそ、「小さなことからコツコツと」やっていくしかないのだと、扶桑町はわきまえているのでしょう。

 

デザイン都市宣言(名古屋市)

1988年の夏季オリンピック開催権は、韓国のソウル市に持って行かれて、夢やぶれ、代わりに翌年「世界デザイン博覧会」を開催した名古屋市。それを機に「デザインを大切にする世界に誇り得るまちづくりを進め、平和を願う感性あふれるデザイン都市を創造する」と宣言しました。

 

デザイン博が終わってからも、デザイン精神の炎を20年間、ジリジリと燃やし続けた名古屋市は、2008年、ついに国連のユネスコから「クリエイティブ・シティ」に認定されました。これから、デザイン都市・名古屋の街並みは、どんどん垢抜けていくのでしょうが、素朴さと派手さが混在したような文化や人柄は、変わらずにあってほしいものです。

 

祖先の遺産を守り育てる条例(津島市)

市の重要文化財とまではいわないけれども、郷土の歴史的・文化的事物、あるいは先人の足跡を「祖先の遺産」として保護する方針を定めた条例です。大切な代物だからといって、人の手に触れないかたちで温存するのでなく、できるだけ日常生活の中で使用し、過去を追体験できるような、アクティブな保存を目指しているみたいですね。

 

2008年現在は、市内の社叢(神社の林)4件、井戸3基、明治「濃尾大地震」の記念碑、津島神社の「鯉の真ま魚な箸ばし神事」、平安時代から伝わる揚げ団子「あかだ」、江戸時代末期に生まれた揚げ菓子「くつわ」などが、「祖先の遺産」に指定されています。

 

回想法事業実施要綱(北名古屋市)

回想法事業、その愛称を「思い出ふれあい事業」と呼ぶそうですが、昔懐かしい生活用具などに触れた高齢者が、かつて経験したこと、過去のことに思いを巡らすことによって、認知症の予防などを図るという、興味深い試みです。

 

もともとは、合併前の旧師勝町にオープンした「歴史民俗資料館(通称・昭和日常博物館)」で、レトロな日用品や家具、看板、おもちゃなどを積極的に収集・展示していたことがキッカケ。その展示品の懐かしさが、デイサービス利用者を中心に、高齢者の記憶を刺激したとして、「思い出ふれあい事業」と結びついていったようですね。