愛知県(赤味噌県)

愛知県は尾張国と三河国からなっています。尾張は三種の神器の一つである草薙の剣をもつ熱田神宮があるなど、統一日本国家が成立するころから重んじられた土地でした。草薙の剣は見てはいけないものとされているのですが、江戸時代の神官がこっそり見て記録を残しています。それから察すると、草薙の剣は銅製の矛であまり鋭利なものではないようです。

 

愛知県の名は県庁所在地の名古屋が愛知郡に属することから命名されました。名古屋人は堅実で閉鎖的だと言われますが、逆に言えば、流行を追わず秩序を重んじるということでもあります。

 

金銭感覚は全国的に見てもシビアと言われることが多いですが、借金の返済などはきちんとするという一面もあります。無駄遣いはしない反面、嫁入り道具や結婚式の派手さはよく知られていますし、日本舞踊などお稽古事が盛んな土地であり、日本で最初の本格的なオペラハウスとして愛知県芸術文化センターをオープンさせました。

 

実質本位の愛知県気質は工業には最適で、20年連続で全国一の工業出荷額を誇っています。三河地方はトヨタの本拠地で、本社のある挙母は市の名前まで豊田と改名しました。

 

尾張北西部の瀬戸はいわずとしれた陶器の産地で、2005年の万博も開催、知多半島は愛知用水のお陰で農業も盛んで綿織物の産地としても有名。常滑は陶器の町で伊那製陶の本社所在地ですが、ここの沖合には中部国際空港があります。

 

名古屋以外の城下町としては、犬山、岡崎、豊橋、田原などがあり、犬山城の天守閣はもともと1537年に美濃金山城で建てられたものを1609年になってここへ移したもので、内部など城郭建築の最初期の様式をよく残しており、姫路、松本、彦根とともに国宝四天守閣のひとつでもあります。

 

この犬山周辺には、名鉄によって明治時代の建築を移築して集めた「明治村」があり、とくにライトの設計になる「帝国ホテル」の玄関は人気を集めています。

 

三河湾に面する吉良は「忠臣蔵」で知られる吉良上野介の領地。江戸幕府も初期は田舎侍の集まりで豪放な気風だったはずですが、だんだん典雅な振る舞いも要求され、とくに京都出身の母を持つ綱吉の時代にその要求は加速されたそう。

 

江戸城の儀典官というべきなのが、吉良氏のような高家と呼ばれる人たちで、足利時代以来の名門であり、石高は一万石未満だが序列は大名扱いでした。当然に文化摩擦が起きるわけで、それが「松の廊下事件の背景だったと推理されています。

 

名古屋名物というと名古屋コーチンにきしめん、味噌カツ、天むすの他、様々なものがあり、今では名古屋はB級グルメ天国とまで言われるほど。いずれもみかけより実質的な充実感があるのが県民性に合っているのではないでしょうか。